今年4月13日、到津の森公園は開園20 周年を迎えました。その前身である到津遊園の閉園が発表された1998年、存続を願う多くの市民・団体が署名運動に取り組み、存続が決定。新しい構想のもと整備され、2002年に満を持して開園したのが到津の森公園です。今回は、そんな到津の森公園について広報担当の方にお話を伺ってきました。
やさしさでできている動物園
20周年を記念して、様々なイベントを開催してきました。第一弾は春。「到津の森と木の動物たち」と題して、チェンソーアーティストの林隆雄さんによる、チェンソーカービング実演を行いました。チェンソーだけで木材から彫刻作品を制作するもので、姿見の池前の「もりのいりぐち」を始め、園内各所に作品を展示しています。この「もりのいりぐち」、原画を書いたのは飼育員なんです。動物たちへの愛が溢れる作品になっているので、ぜひ見て、撮影スポットとしてお楽しみください。他にも季節ごとに様々なイベントを開催して、20周年を盛り上げています。
イベントを企画する際は、〝お客様とのコミュニケーション〟も1つの大切な指針にしています。これまでに開催したTwitter企画「到津の森ちょこっと特派員」やInstagram企画「Itozoogram」、20
周年企画である「みんなが到津の森特派員」では、お客様が到津の森の魅力を発信する特派員となり、大賞に選ばれた写真はポスターやチラシとなってイベントに花を添えてきました。モノレール平和通駅のホームにある動物たちの写真(電飾掲示板)も、お客様が撮影したものです。応募される写真やSNSへの投稿を見ると、お客様の思いが伝わってきて、嬉しく思います。
到津の森公園は、開園以来ずっと市民のみなさまと一緒に歩んできた動物園です。動物サポーターや友の会の会員として、運営をサポートしてくださっている方がたくさんいらっしゃいますし、〝推し〟の動物の誕生日にプレゼントをくださる方もいらっしゃいます。常連さん同士のネットワークもあるようで、オフ会なんかを開いたらすぐに集まってくださるんじゃないでしょうか(笑)本当に、到津の森公園は皆さまのやさしさでできている園です。
園内の特徴としては、〝森〟というだけあって、展示動物の生息環境や、空間の棲み分けなどを自然に近い形で再現しています。飼育員の想いがたくさん詰まった手作り看板にもぜひご注目いただきたいです。動物たちの紹介はもちろん、自然環境の素晴らしさや多様性、動物と自然との関係が理解できるような展示を行っているので、大人が読んで、子どもたちに伝えていっていただければと思います。
また、1937年に始まった「林間学園」も特徴的な取り組みです。小学生を対象とした自然体験プログラムで、動物とのふれあいを通して命と自然を愛し、参加者同士の友情を深めるものです。長い歴史の中で、到津遊園時代に参加した方がおじいちゃんになって、お孫さんを連れて来られるという感慨深い出来事もありました。世代を超えて受け継がれている、毎年大人気のプログラムです。
20周年を迎え、今後ますますコミュニケーションの場として、感動と学びを提供していきたいと考えています。秋の企画展はもとより、まもなくレッサーパンダ屋外運動場が新しくなりますし、20周年記念セレモニーも予定しておりますので、ぜひ楽しみにしていてください。
これからも、市民の皆さまと一緒に、歩みを続けていきたいです。
到津の森公園 Itozu-no-mori Zoological Park
福岡県北九州市小倉北区上到津4-1-8
電話番号 093-651-1895
開園時間 9:00 ~ 17:00
※夏休み・大型連休・年末年始は営業時間が異なります。
休園日 毎週火曜日
入園料金 大人800円、中高生400円、4才~小学生100円
園長 梅﨑 淳一
整備面積 約10.6ha
展示動物 約90種480頭羽
※ 団体料金、シニア料金、障害者料金についてはHPをご覧ください